呼び名と立場

前記事に引き続き、
その仕事で支援者は何をしているかということについて。多分今はそのことが無意識的に考えている感じているテーマなのだと思います。

〈呼び名〉についてです。
これもあまり深く考える機会はありません。
でも考えてみれば、呼び名というのは実に様々です。

面接記録にカウンセラー(Co.)と名乗ったりセラピスト(Th.)と書かれたりしますが、カウンセラーとセラピストの違いってなんだろうかと。また、大学院の時は来談者のことをクライエント(Cl.)と呼びましたが、クリニックでは患者(Pt.)です。病院のデイケアでは“メンバーさん”とか。

呼び方なんてなんでも良いような気がしないでもないですが、でも本当はちゃんと違いに意味がある気がします。

呼び方には、置かれてる環境・立場・役割が反映されているから、それらを意識することに役立つからです。
クライエントという言葉は別に心理面接の世界だけで使われるものでもなく、ビジネスでも顧客という意味でよく聞きます。
カタカナでなんとなくクライエントと呼んでいるけれど実際のところ、依頼人という捉え方がそこにはあります。
解決したい悩みを持ってくる人のこと。それを引き受けるという意味で、このクライエントのケースを受け持つ、というのではないかと思います。

クリニックでのカウンセリングでは、必ず主治医との連携・主治医のオーダーのもと関わります。その機関が提供する医療の中に一つの支援としてカウンセリングが位置づけられている。自分が担当するクライエントという以前に患者であり、治療という枠組みの中で関わっているという捉え方があります。
クライエントと言っても問題はなさそうですが、他職種がカルテを見たときに患者Pt.と書いた方が解るということもあります。

そのほかにも、自分のことを心理士と書くのかカウンセラーとか心理職と書くのか。小さな子を相手とするプレイセラピーではセラピストとするのが良いのか、とか。心理師や心理士というのは無資格のうちは名乗ってはいけないということもあったりします。カルテ上では臨床心理技術者となっています。

話がまとまらなくなってきましたが、様々な事情により、心理支援者側も支援対象者側も呼び名は変わってくるのだということです。

あと、呼び名がつくとあたかも立派な専門性があるような気もしてくるので、それは善し悪しですね。クリニックでは事務から心理に代わったので、事務の人から突然“~先生”と呼ばれるようになったことに違和感を持ちつつ、あぁそうかと思いながら白衣を着ることも。
そもそも先生という呼び名も、教師だけじゃなく医者やカウンセラーにも使われるのはなんなんだろう、と、そこまで考え始めるときりがないですね。

特に今自分は仕事を掛け持ちしているため、
それぞれの場所で求められる役割も異なれば、能力や資格的に出来ることの範囲も違うので、余計にこういったテーマについて考えることが多いのだと思います。
中身はただの人間のはずなんですけどね。

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