双極性障害の安定期

躁鬱について久しぶりに。
つい病識を無くしてしまいそうなのでたまには、という意味合いと、以前とは考え方も変わっているかもしれないので。

何ヶ月か暫く服薬内容も量も変わっておらず、気分低めの安定期が続いているので、
少し振り返ってみます。

躁鬱と付き合うためには、疾患とのほどよい距離感、症状チェックのための簡単な客観化と対処ツール(自分ルール)の発見があると良いのではないかという話です。

自分は病気であるということを、
あまり毎日のように意識していたら誰でも嫌になります。語弊はありそうですが躁鬱というのは体質であり花粉症などのアレルギーのようなものと考えることも出来るので、
毎日自分は花粉症なんだ、と思いながら過ごすのはナンセンスというか、毎日症状に困るような時期では無いのならある程度忘れている方が健康的なのではないかと思えてきました。

双極性障害の難しいところの一つに、
自分の調子の〈普通〉の基準がわかりにくいと言うことがあります。
調子が良いと思う状態が、周りや医師から見たら軽躁だったりするからです。
自分で自分を正しく把握するということに自信をなくした時期がありましたが、
それでもなんとか客観視しようとして気分の記録をつけてみたり、アプリを試したりしました。しかし、途中でめんどくさくなって続かないことが多かったです。
そういうのは継続しないとあまり意味がない
ので、これなら楽にできるというやり方を見つけると良いです。

ここ4ヶ月くらい毎日無理なく続けられている方法があって、それがDaylioというアプリです。
シンプルに5つから選ぶだけです。
最高と最低という基準には、過去にそれぞれの病相を体験したときの行動や症状を参考にします。すると大体良い~悪いの間で選ぶだけで済みます。両端を選ぶときは悪化を予測できるし、両端を選ばないときはあの頃に比べれば全然大丈夫と安心できます。
スマホのホーム画面にアイコンを置いといて、2、3回のタップで記録できるので楽です。朝・昼・夜と記録する時間を決めると、気分変化のパターンを探るためには更に良いのかもしれませんが、ルールを決めるとめんどくさいので、スマホを開いたときに思いついたら記録する、くらいです。
統計やチャートも見られるので、今月はこんな感じか、と見返すことができるのも良いです。

他にも色んなアプリを試したことがありますが自分にはこれが合うようです。やっと見つけたという感じ。テキトーに楽するというのが継続のコツなのかもしれません。“頑張って”記録しようとすると続きません。

低め安定が見事に続いているわけですが、
ある日突然がくっと落ち込んで沼に入っていくこともあります。しかし、沼から抜け出すのもまたコツがあって、専門的には処方の調整や心理的アプローチとして認知の歪みの修正とかマインドフルネス瞑想とかっていうのもありますが、
もっと手軽に回復できるものがあればそれで良いのです。お笑いでもゲームでも、元々持っている自分の中のリソースを使ってストレスから逃げると良いです。それが出きるうちは脳がまだ働いてる証拠でもあるので、楽しめていたことすらも楽しめなくなった等の状態になると主治医に報告すべき変化と捉えられます。

どんな疾患でもそうですが、目に見えないものと戦い続けるから不安が不安のまま増幅されていきます。可視化すること(精神的なモヤモヤの場合は言語化)で何故か安心するということはあります。
似た理屈で、診断名を与えてもらうことによって救われたい患者・家族たちというテーマがあるのですが、またの機会に書いてみます。

双極性の場合は病識を持ちにくい疾患であると言われています。個人的には病識を持ちにくいという人もいれば、病識を一旦獲得したのにまた元に戻るというパターンも多いように思います。
そのため、たまには本を読んだり、疾患について共通理解が出来ていて開示もしている相手と話したりすることが大切ではないかと思われます。

本を読むのがしんどい時はYouTubeで良いのです。
YouTubeにも信頼性の比較的高い躁鬱関連動画がポツポツと出てきました。二年前頃にはあまり見られなかったのですが、疾患教育や当事者発信の動画も増えてきたように思います。精神科医などの専門的な知見と当事者のリアルな視点のどちらにも触れることができるので、そのへんの講義受けるよりもよっぽど理解が深まるような気がします。
うまく安定してるときは見ないのですが、最近気分が落ちていた際にふと検索してみたら、例えば以下のような動画を見つけました。

ただの脳病だと表現してくれているのが自分には良かったです。
みんな様々な創意工夫してんだなと思いました。

・疾患の再認識→不安の軽減
・誰かには理解してもらえている感→自尊心の回復
になると思うので、これらは医師やその他心理援助職、さらには周りの人の力を借りなくても工夫次第で応急措置はできるはずです。
逆に出来なくなってる場合は、たとえ安定期に入ってたつもりでも危険信号です。

以上、誰にでもなくご報告しました。

どこかの動画のコメント欄で当事者の人が書かれてたんですが、
「私は落ち込むときはピースの又吉さんみたいになって、元気なときはピースの綾部さんみたいな人格になります。ピース又吉&綾部病と呼んでいます」みたいなコメントを見つけて笑いました。
妙に分かる。

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