『君と宇宙を歩くために』
『君と宇宙を歩くために』
マンガ大賞2024の大賞受賞作品ということで、
少し気になっていた作品です。
久しぶりに本当に良い漫画に出会えたなと思いました。
“発達障害”とかマイノリティを示す言葉を直接的に用いずに、
でも確かにそういった人たち(“普通”ができなくて困っている人たち)が持つ生きづらさが描かれています。
そしてそれが“かわいそう”だとか“共感できる”というところを超えて、友情や青春のストーリーを通して、社会の中で他者と共に生きることの美しさや愛おしさを感じさせます。
優しい気持ちにもなれます。
私自身も、私なりの生きづらさを感じて生きてきましたが、
なるほどこういう世界に生きている人もいるんだと気づかされます。
私の仕事は生きづらい人を支援する仕事でもあるため(例えば大人の発達障害、境界知能。その人たちの支援としての発達検査、デイケアとか)、自分は本当にその人たちの生活上のリアルな苦労や葛藤まで想いを馳せることができていたのだろうかと考えさせられるシーンもありました。
漫画から学ぶことは多いです。
おそらく作者さんは私と近い年代ではないかなと思われるような時代背景(2000年代の高校生)になっていて、それも個人的にはストライクでした。
現在、3巻まで出ています。
将来子どもに読ませたいなと思う作品がまた増えて嬉しいです。
...まぁ、読むかどうかは自由として、そっと本棚の上の方に置いておこうかなと思います。
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