私と双極性障害⑤~書籍紹介~
はじめに
今回は、私が読んだ双極性障害に関する本を3冊紹介します。
双極性障害について“学ぶ”あるいは“知る”ための本です。
たまには情報提供的な記事でも書こうかと。
患者さんの中には文字を読むことすら苦痛な時期にある方もいるでしょうから、ご無理なさらず。
こういう本があるんだ、くらいで。
①双極性障害【第2版】ー双極症Ⅰ型・Ⅱ型への対処と治療
著者:加藤忠史
出版年:2019年
・患者本人 ★★★
・支援者 ★★★★
・周りの人 ★★★★
②対人関係療法でなおす双極性障害
著者:水島広子
出版年:2010年
③バイポーラーワークブック 第2版
著者:モニカ・ラミレツ・バスコ
訳者:野村総一郎
発売年:2016年
掲載されているワークシートを参考にして自分なりにエクセルなどで作り変えてみることもありだと思います。
あとがき
精神医学的な立場から言えば、
双極性障害の治療の現在のスタンダードは、
第一に薬物療法。
プラス、心理教育や心理療法とのことです。
心理教育(psycho-education)とは・・・
「心理教育とは疾病についての知識を,患者,家族と治療者が共有することと,支持的援助及び対処技能の増大をはかることで,患者本人の不適切な行動や家族の対応のうちストレッサーとなるものを減少させることにより再発を予防しようとするアプローチ」
引用:後藤雅博(2012)「家族心理教育から地域精神保健福祉まで」金剛出版
双極性障害は、精神疾患の中でも病識を持ちづらい疾患でもあるので、
病についての知識を得るというプロセスは重要かと思います。
私は精神医学を学ぶ立場にあるので、いわば“セルフ心理教育”しました(笑)
ただ、その人がいま直面したくないことを直面させるのは、
心理教育とは言えず、配慮のない押し付けになりかねません。
私がこのように病について勉強し始めたのは、水島広子先生の表現で言うところの「悲哀のプロセス」を経た後です。
病状の経過を見て今その患者がどんな段階にいるのか、
その患者のペースを尊重するのが何より大事だと思っています。
続いて心理療法ですが、
心理療法というと「カウンセリング」を連想する方もいるかもしれませんが、
カウンセラーはただ話を聴くだけでもなく、心理的な支援には色んな立場、理論、技法があります。
その中で双極性障害に関しては、
認知行動療法(CBT)と対人関係・社会リズム療法(IPSRT)が特に有効とされています。
勿論、患者によって合う・合わないはあると思われます。
残念ながら我が国ではまだ、どこの病院やクリニックでもこういった心理療法を受けられるというような環境にはありませんが、
特に認知行動療法は一般の方にも読みやすい本やサイトなんかもありますので、
興味のある方は調べてみてください。
私はというと、あまり認知行動療法が今のところなじまず、
むしろ対人関係・社会リズム療法の中の、
<他者から受ける刺激>に注意するというのがしっくりきました。
色んな本があったり情報やアドバイスを受けるとかえって混乱するということもありますので、
自分に合ったものを取り入れるという心持ちでも良いのではと思います。
今回の記事は当事者というより支援者目線よりで書きました。
知識を得ることや治療を受けることはあくまで手段です。
以上、今回は情報提供でした。
選ぶ権利は患者にあることをお忘れなく。
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